先人たちの働く姿

 この写真集は昭和7年から8年(おおよそ70年前)に撮影された国道新設工事の記録写真の中から、働く人たちの服装や、工事機械、道具、工法など今では見かけなくなったものもを主に纏めたものです。
 セピヤ色の写真と現在の姿を比較しながらご覧ください。

なおこの写真の無断転載はお断りします。ご使用の場合にはご連絡ください。

第3回 職人さん



この写真は道路のコンクリート舗装の準備をしているところです。右端で働いている人たちはコンクリートを打つ前に型枠を規定の位置と高さに据え付けているところです。この人たちは大工さんで「型枠大工」と呼ばれたりします。賃金は普通の人夫さんより高額でした。
左上の一段と高いところにはミキサープラントがありコンクリートを練っているようです。






これは懐かしい荷馬車ですね。
学校帰りに黙って荷台のうしろに乗ったり、ソーダ(重曹)饅頭のような
黄色い糞をポロポロ落としながら馬車を引く馬を思い出したりしませんか。餌を入れるカイバ桶もあるようです。。
この馬車は重量物の運搬に工事現場でも活躍していました。
賃金を支払う出面(デズラ)台帳には馬方さんを「馬車持ち人夫」とか名称をつけて、馬、荷車の使用料を含んだ高額の日当を支払っていたようです。馬方さんは大工さんや石工さんたち以上の賃金を貰っていましたから職人さんと同じ扱いをしています。




こんな風景も見かけなくなりました。
工事現場で石垣を積む石を作っているところです。今は工場で造られたコンクリートブロックをトラックで運び積むだけになりました。
昔は「石工」という職人さんでしたがいまは「ブロック積み工」とでもいう職名でしょうか。
この仕事、重労働ですから賃金も高かったようです。

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