イタリア旅行記

第3回 生活の糧
 観光地の賑いの中で、観光客を相手に生活の糧を求めて働く人たちはたくさんいます。
 今回の旅で撮ったスナップは、その一部分にすぎませんが、纏めてみると意外にたくさんの職業(?)があることに気付きました。
 格好よい職業から同情を引く物乞いまで、すべて生活の糧を求めての姿です。

歩道に座り込んで楽器を奏でるおじさん。楽器ケースの蓋を開き、蓋の裏側には何やら文字が書いてありました。
ケースの中には数枚の紙幣と硬貨が入っていました。午前11時ごろで営業を始めたばかりなのか実入りが少ないようでした。

ミラノ大聖堂にて
水の都、ヴェネツィアに着いた夜、夕食のあと(PM9:00)ゴンドラ(ボート)に乗って夜の水路巡りをしました。
グループ30人は、5隻のゴンドラに分乗、船団を組んで進みます。私の乗ったゴンドラには2人の楽士が乗り込んできました。
アコーデオンの伴奏に合わせ、たくさんのセレナーデを唄ってくれました。
港に戻り上陸するとき、規定料金は別に払っているはずですが、チップを入れるカンカン帽子を差し出しました。このチップも一人あたり1ユーロが相場だと乗船前にガイドからアドバイスを受けておりました。
画像はアコーデオンの楽士の向こう側、舳先に座っている人が歌手で、歌うときには直立不動の姿勢で、何処までも響く大きな声で唄ってくれました。

ヴェネツィアにて
自動小銃を構えてパトロールする女性警官。
何処の都市でもこのような姿が目に付きました。イラクのテロ対策で警戒が厳しいのでしょうか。
こちらは安定収入の公務員のようです。

ナポリにて
こちらも警官らしいがナポリの警官とはスタイルが違います。
腰に短銃を下げていますが厳しさはありません。のんびりと雑談しているようです。
職務担当が違うのでしょう。

フィレンツェ、ウフィッツィ美術館前にて
入館の行列に割り込み、折り畳み式のテーブルを開いて眼鏡や雑貨を売る黒人。

フィレンツェ、サンタルローチェ教会前にて
こちらは商品を肩にかけ、両手には手芸品を持って行列の間を練り歩く人。
美術館に入る行列では、荷物は邪魔になり、殆ど買う人は見かけませんでした。

フィレンツェ、ウフィッツィ美術館前にて
ナポリからカプリ島の『青の洞窟』までは船でおおよそ1時間かかります。
観光客は、約30人乗りの船で洞門へ運びますが、洞門の中に入るためには5から6人乗りの小船に乗り換えなければなりません。
そのための小船(3隻)は、乗客を乗せた中型船がロープで繋いで引っ張っていきます。
小船の船頭は、強引にチップを要求しました。
1人当り1ユーロが相場だそうです。

ナポリの港にて
バチカン博物館入場者の行列を目当てに民芸品を売る売り子。
左のレンガはバチカン市国の壁。

ローマ、バチカン市国にて
バチカン、サン・ピエトロ大聖堂を警護する衛兵。
この衛兵はスイス人だけにしか与えられていない特権階級の職業。聖堂は交代制で24時間警護されているそうです。
バチカン大司教は夏休暇で現在不在だとガイドは話してくれました。

ローマ、サン・ピエトロ大聖堂にて
 周囲約527m、高さ約48.5m、収容人員約5万人の4階建ての円形闘技場のあるコロッセ広場で観光客の間を歩く『物乞い』。
 頭から真黒の衣をすっぽりと被り、下を向いて顔は見えませんでした。不自由な足は右手の杖を頼りにゆっくりと交わしていました。
 そのたびに、左手に持った器から恵みを受けたであろう硬貨の音がコロコロと響いていました。
 左手は硬貨の音を響かせるために、強く上下に振っているような仕草にも感じました。

ローマ・コロッセオ広場にて
 観光地ではよく見かける記念写真を撮る写真屋さん。
 日本では三脚を据えるが、ご覧のとおりの格好で大丈夫だろうかといらぬ心配をしました。
 2人1組で左がメーンで右は助手。旅行会社とタイアップしているらしく、集合写真を撮った後、希望者には夕方ホテルに届けると注文を取っていました。値段は1枚2,000円?とか言っていましたが、もともと買う気はなく値段のほうは正確に憶えていません。

ローマ・コロッセオ広場にて
古代衣裳を纏ったこの集団は、観光客の写真機で観光客と一緒にポーズをとり記念写真を撮ってくれる商売。
ツアー仲間の話では料金は10ユーロ(約1,350円)支払ったとか。

ローマ・コロッセオ広場にて
世の中は、華やかさの陰に寂しさ、富裕の裏には貧しさが付き纏っているようですね。生活の糧を確保するのに懸命に働かなければなりません。
今回の旅は、決して年金の富裕から思い立ったものではありません。生活を切り詰め数年かけて元に戻す計画のツアー参加でした。

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