上大野木場仁田峠線登山遊歩道を歩く
       (登山道オープン)


山 行 日 平成15年12月19日

 南高深江町上大野木場と小浜町雲仙の仁田峠展望所を結ぶ延長約4.3キロの「上大野木場仁田峠線登山遊歩道」が完成した。雲仙・普賢岳の溶岩ドームを間近に望む深江町の岩床山山頂付近で11月14日、安全祈願祭があり、国、県、町などの関係者約50人が開通を祝った。
 深江町から同展望所方向に至る登山遊歩道は以前もあったが、雲仙・普賢岳噴火災害で失われた。
同町は県と協議し新たなルートを計画、昨年度から工事を進めていた。総事業費約7500万円。
上大野木場から岩床山監視カメラ、林道交差部、仁田峠方面分岐、岩場を経て仁田峠展望所(標高1,078メートル)に至るルート。警戒区域付近や険しい個所もあり、利用対象者は小学生の高学年以上。登山には十分な装備が必要で、子どもは保護者同伴を呼び掛けている。(2003.11.15付け、長崎新聞より)


今回は、初めてのコースであり、コース案内を主に纏めました。

お願い
この記録は、主観的で正確ではあちません。登山者は参考程度にして自分の責任で登山してください。


上大野木場登山口
上大野木場登山口は国道57号の大野木場バス停近くの交差点から山手に入るとよい。島原方向から雲仙に向うと右側になる。
勘違いして大野木場バス停の手前で右に入り込んでしまった。火砕流で焼け残ったコンクリート建ての大野木場小学校(遺構)前を通り抜けた所で道は行き止まり。地元の人に尋ね逆戻りした。やっと登山道案内標識のある農道へ出た。辿り着いた車道の終点が登山口であった。ここには赤松谷監視所があり警備員が2人働いていた。

治山工事の遠隔操縦棟
バックは平成新山
監視所隣にはアンテナがいくつも付いたプレハブの事務所があった。
ここは治山工事の建設機械を操縦するオペレター室である。
300mほど離れた工事現場ではショベルカーや大型の土砂運搬機がゴーゴーとエンジンの音を響かせながら動き回っていた。
平成新山から吹き降ろす北風に乗ってその音は一層強
く響いてくる。

登りはじめの緩やかな階段
10時5分登山開始。登山口にたくさん置いてある枯れ枝の杖を借りた。
風が強い。横殴りの雪が顔に当たり冷やりとする。見上げると平成新山は雪雲に覆われ見えなかった。登山道は雲の流れで吹雪になったり晴れたりと目まぐるしく変わる。緩やかな階段を400m足らず登りつめるとそこはピークだった

治山工事現場
5台の機械が稼動していたのが肉眼では確認できた。中央の黒い山は妙見岳。その中腹に仁田峠展望所はある。
遮るものが何もない。視界が開けた。右側の赤松谷で動き回る黄色の建設機械がおもちゃの機械のように小さく見える。たぶん動き回る建設機械は無人のはずだがあまり遠すぎて判別はつかない。急な階段を100mほど降りると鞍部になりベンチが置いてあった。
ここから自然林が残る岩床山になる。この岩床山は流れ出る火砕流をせき止め麓の住民の盾となり守ってくれたありがたい山である。

急階段を登りつめたところの休憩所
木製のベンチが3箇所あった。
この岩床山は急峻な法面を標高差200mほど一気に登らなければならない。
下から見上げると急な階段が何処までも続き、嫌になる。出来るだけ先は見ないよういにして何回も休みながら足元ばかり見て登った。開通して間もない登山道はコンクリート製の疑木の丸太で階段が作ってある。階段の蹴上げが高く足を上げるのに一苦労だ。路の脇の斜面で一歩高度をかせぎ一階段を二歩で上がる方法が楽である。やっと登りつめ、展望所に着いたのは出発して50分後であった。案内板を見るとまだ0.8kmしか歩いていない。目的の仁田峠展望所まではまだ3.0kmである。しかし、ここまで高度を稼げば、距離は長いが後はこれ以上の急勾配はなさそうである。

休憩所から間近に見える平成新山
行きには吹雪で見えなかった。
帰りに写した姿。
南面の近くからの姿は崩落の痕跡が深い。枯れた斜面は、崩落を防ぐためにフェリコプターで空中散布された緑化剤が根付いた跡である。春から夏にかけては緑が美しい。山頂付近では山体の熱で水蒸気が上がっている。もしかしたらガスかもしれない。

熱風の爪あとを残した植林地帯
枯木の下では新しいヒノキが勢い良く成長していた。
展望所から10分ほどでコンクリートで舗装された林道んに出る。この林道を横切り再び登山道に入ると荒涼とした風景に出会う。火砕流が流れた赤松谷とこの位置は高低差で200mはある。この枯木はヒノキで13年前の噴火の際、熱風で焼け焦げた姿である。地面には茅が繁り、新しく植林された2mたらずのヒノキが育ち始めていた。

南斜面の杉林の中を歩く
尾根の南側は熱風の被害はなく直径30センチほどのヒノキ林になる。
薄っすらと赤土の上に積もった雪は綺麗だった。粘土の道は滑りやすく、勾配はきつくないが楽な登りではない。しかし、北風を受けないぶん気分的には楽である。
その後はまた自然林の道、樹木に覆われ視界はないが落ち葉を踏みし
めて快適な登りに変わる。

涸れ沢の次はまた登りの階段となる
仁田峠展望所まであと1.4kmの道標は右の矢印になっている。これまではほぼ尾根伝いに登って来たがここからは北側斜面を巻くようにして急な降りになる。
北斜面は日陰で気温が急に下がる。
積もった雪の量もこれまでとは多く白さが目に沁みる。

雪が積もった涸れ沢
山肌もがらりと変わり、涸れ沢が大小5ヶ所もあり、雪の積もったガレ場を渡るときには緊張する。

左は妙見岳、中央に少しだけ頭を出している国見岳、右の白く光っているのは普賢岳
赤松谷の北側には裸木を透かして三山が見える。この位置からは目的地の仁田峠まではあと30分である。
出発して2時間が過ぎていた。
下界から12時を知らせるサイレンの音が聞こえてきた。距離はかなり離れているようだが風の仕業で近くに聞こえてきたのだろう。
急に腹が減ってきた。

仁田峠展望所からの眺め
12時35分仁田展望所に到着。
所要時間2時間30分である。
途中休みながら、また写真を撮りながらのゆっくりペースでこの時間である。
登山に専念すれば2時間のコースではなかろうか。
画像左側黄色の山裾は火砕流が堆積した赤松谷。この付近では無人の建設機械で治山工事が行なわれている。
黒い山の先端は岩床山。尾根伝いに登り画像右端の尾根から赤松谷に向って降りてくる。
沢に降りついて再び登るとこの仁田峠展望所に辿り着く。

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