屋久島紀行(島めぐり)
宮之浦岳縦走を終えた翌日、島一周の観光をした。
島一周105km。時間をかけ3日ぐらいの島めぐりだったら、もっと楽しめただろうにと心残りがしないでもない。しかし、夕方4時の飛行機にセットした島めぐりでは駆け足しかない。
天気だけは、きのうから今日にかけ快晴で最後の屋久島に花を添えてくれた。
屋久島三泊のうち旅館泊まりはここ『鶴屋』の一泊のみ。
島めぐりは、宿を朝8時に出発する予定であった。だが思わぬ落とし穴があった。
夏休み前で、観光客はそれほど多くないだろうと予想して、レンタ・カーはいつでも借られる計算だった。
朝食を済まし、7時半にレンタル会社に電話すると数軒とも空きはないという。
宿のご主人の紹介でどうにか探してもらった。
宿を出たのは8時55分だった。
千尋の滝
旅館から20分ほどで着いた。展望所から先は進入禁止。滝までは直線距離で500mはありそう。遠くからでは滝の勇壮さが伝わってこない。
この川は、鯛の川で源流は初日の山小屋・淀川小屋付近である。
写真遠望の山左側方向が淀川小屋になる。
トローキの滝
千尋の滝から下流にある滝で、滝壷は海なっている。
赤い橋は島を一周する国道(県道?)
この橋のたもとで国道を横切る猿の群れに出会った。子猿が親の背中にしがみ付いている格好が印象に残っている。
とっさの出現にシャッターをきる暇はなかった。
平内海中温泉
引潮になりかけたばかりで温泉は波が打ち寄せていた。
Aさんは海ときたら黙っておれない。
すっ裸になって飛び込んだ。波が引き湯坪が暖まったころにまた波を被り冷たい海水と変わらなかったと少し愚痴ったが満足したようだった。
栗生の海水浴場
アカウミガメの産卵地
空、雲、海、波。砂浜すべてが夏真っ盛り。
大川(おおこ)の滝
日本の滝100選の一つ、落差88mの滝壷から見上げる水の勢いは怖い。付近一帯が飛沫に包まれカメラのレンズは曇る。
滝壷の近くで休む人たちは小人のように小さく見える。
雄大で迫力のある滝であった。
栗生から永田まで25kmは無人地帯で急な山肌をぬってカーブが多い。ここを西部林道と名付けている。
屋久島は、鹿2万、猿2万、人2万で昔から6万ファミリーの島だといわれているそうである。
噂にたがわず、猿にもシカにも出会った。
このお猿さん、シャッターを押すまで待ってくれた。
車の中から写す。
屋久島灯台から眺めた西部林道の海岸線。林道は海岸から標高で50mぐらいの山腹を走っている。
海は東シナ海になる。打ち寄せる波は大きく透明度の高いブルーであった。
永田岬にある屋久島灯台。
その昔灯台守がいたであろうこの灯台も今は無人。
「お〜いら、み〜さきの」と歌われる映画、映画界の巨匠木下恵介監督の「喜びも悲しみも幾歳月」は昭和32年の映画で高峰秀子と佐多啓二扮する有沢夫婦の灯台守が浮かんできた。
やっぱり歳かなぁ・・・。
屋久島灯台から望む口永良部島
灯台から12km、手が届きそうな近くにある。
活火山の島で、島には3つの温泉があるとか。
残念ながら雲がかかって山の姿は見えなかった。
屋久島はガジュマル自生の北限地。屋久島の海岸線に多く見られるとか。そうかなぁ?あまり気付かなかった。
ここ志戸子ガジュマル園は群生地だそうである。
『ガジュマルを特長づけているのが、幹から無数に垂れ下がる「木根」。多雨のため、土中ではなく空中から空気呼吸するためと言われています。成長すると、もとの幹と区別がつかなくなり、しまいには古い幹は枯れ、木根が新しい幹となっていきます。このためガジュマルは「歩く木」とも呼ばれます』入園パンフレットより。
大ガジュマル
このガジュマル何年生?
残念!ガジュマルには年輪はないという。
長生きの順番。
カメは万年、縄文杉はただいま7200年、ツルは1000年、
次がこの大ガジュマルか?
ずーと下がって、赤いTシャツを着たアカウミガメならぬ「ばってん亀」はわずか?0年。
せめて90まではと密かに狙っている。
屋久島環境文化センター
屋久島の玄関口に当たる上屋久島町宮之浦にあり、島に第一歩を踏み入れるとまずここで総合的な情報を掴みそれぞれの目的地に向うのだという。われわれはまったく逆で、ここが最後になってしまった。
大型スクリーンに映しだされる自然はこの目で見てきたばかりの場所で、再度そこに立っているかのような錯覚に陥った。
島めぐりを終わって空港に着いたのは15時20分。飛行機の出発は16時25分。
ちょうどよい時間に戻ってきた。ところが夏の陽が照りつけるここ屋久島と違って、鹿児島空港は大雨だとアナウンスあり。就航は見合わせるという。
「鹿児島に着陸できない場合には宮崎空港に向う」約束で飛び立ったのは結局、17時であった。
暮れゆく鹿児島空港
定刻より50分遅れて、何とか着陸。雨はあがり何事もなかったような空港だった。
これから長崎に帰るには、乗換え待ち時間二時間半もある。
写真は空港から見える霧島山系の山々。右の三角の山は高千穂の峰、左の雲の中に浮かぶ丸い山は韓国岳(からくにだけ)

最後までお付き合いくださいましてありがとうございました。
これをもちまして屋久島紀行は終わらせていただきます。

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