稜線歩きもここまで。これからは右手に高低差200mばかりを急降下する。ガレ場あり、岩場あり、雪面ありの区間で気が抜けない。
 途中の広い場所で休憩。休憩の時間を利用してリーダーが強風時の尾根渡り方法を実演しながら講習してくれる。
 教室内の講義と違って、厳しい環境の中で聴く講義は、現実味があって皆真剣に聞いている。
 ストックを使っての身構え方、ストックがない場合の身構え方。強風は常に吹いているのではない、瞬間弱まるときがある、それの時を狙って移動せよ。これを「風を盗む」という。などなどためになる講習であった。
 山は気象の変化が急変する。他人事ではなく、いつこんな場面に遭遇するかわからない。大切な基本ではあるがはたしてその場に出会ったときに思い出せるかどうかが心配である。

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