中岳山頂

 ここで高岳方面からやって来た6名のパーティーに出合った。ルートを尋ねたら、仙酔峡から仙酔尾根を登り高岳経由で来たと話してくれた。「まあ、何とか登ってきました」と云っていたが、かなり難儀したような感じであった。
 高岳までのルートは心配ないと話してくれた。このときすでに13時35分になっていた。
 ルートは安全だが高岳まで足を延ばし、また中岳に戻り、それから砂千里ヶ浜尾根を回る。バスが待つ西登山口ロープウェイまでの所要時間を計算し、予定時間の17時までに下山できるかどうかの判断はリーダーがしなければならない。
 しばらくリーダーの判断を待った。
 「高岳間で行きましょう」というリーダーの声を聞いたとき、やったぁーと嬉しさがこみあげてきた。
 そう決まると、広場で5分間の休憩。私は空腹を感じていた。慌ててザックをおろし、弁当の握り飯を取り出した。完全に冷え切っている。ゆっくり味わって食べる暇はない。口一杯に押し込んでもぐもぐ動かしながらリュックを背負い出発時間に間に合わせた。

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