南アルプス紀行

(北岳・間の岳・農鳥岳縦走)

コース地図

第三回
 小太郎尾根に着くと期待とおりの展望が開けた。吹き抜ける風もカラッとして体の汗を拭き取ってくれた。水を得た魚のように元気になった。

 ここから北岳肩の小屋まで30分、北岳まではまだ1時間は登らなければならないが、そのことは忘れ目的地に着いたような気分になって、いつまでも眺め写真をとり続けた。

小太郎尾根から望む仙丈ケ岳 雲の上に浮かぶ甲斐・駒ケ岳。
雲が切れるのを待ったが、とうとう雲に隠れ見えなくなった。
手前は小太郎山。(小太郎尾根から)

鳳凰三山を眺めるハイカー
小太郎尾根で
北岳肩の小屋に10時45分到着。ここでも20分休憩して展望を楽しんだ。

 肩の小屋から岩峰を回り込み、あるいは跨いで北岳山頂を目指したが、二俣から尾根に出るまでの苦しい足取りとはまったく異なった。360度の展望に足を止めては見惚れ、爽やかな風に頬をなでられては、元気が出た。


肩の小屋から北岳までには岩峰の間からこんな風景もあった。 待望の北岳山頂(12時10分)

北岳で昼食の握り飯を食べたが、今となってはその様子を思い出せない。
昼の弁当も写真に撮っておくつもりだったがそのことも忘れ、おかずは何であったかも覚えていない。
景色に見惚れ、弁当は無意識のうちに食べてしまっていた。


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